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エア下僕のねこ部屋

いつか下僕になる日を夢見て理想のご主人様を描き続けるエア下僕の画像置き場

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とりあえず最低限のノルマだった骨格図面・全身編(側面のみ)は一段落したので、このブログでの最後のテーマにとりかかろうと思います。

「猫は液体」とまで言われるほど柔軟な肉体を持つ猫たちですが、これまでの骨格研究によっていくつか腑に落ちた点があるので、順次まとめていく予定です。



猫の全身骨格をリサーチしていて特に目に付いたのは、胴体部分の骨の細さです。
四肢の骨格は全体的にバランスの取れた大きさ、太さなのですが、それに比べて肋骨はその細さが際立っています。前後の肋骨同士の距離に比べてこれだけ細い肋骨を持つ動物は、ネズミサイズの小さなものを除けば、あまり見当たりません。







肋骨が細いことでどんな効果があるのかと言えば、例えばこのような例が考えられます。↓







図は、肋骨に相当する横方向の突起の太さのみ変更し、これが干渉する限界まで曲げてみたものです。
相対的に肋骨の太さを細くして互いの間隙を広く取れば、それだけ曲げられる余裕が得られることがわかります。


また、肋軟骨と呼ばれる肋骨と胸骨の間をつなぐ軟骨の長さも、ヒトに比べると長めで、しかもかなり細い。当然ながらこれも体の柔軟性にひと役買っていることは容易に推測できます。

ただ、胸骨に接続していない浮動肋骨の先端にも肋軟骨のようなものがちょっと伸びているのが確認できるのですが、これが何のためにあるのかがよくわかりません。



肋軟骨の接続先である胸骨は、ヒトの場合平べったい形状の骨が3個つながっているだけでほとんど動くこともありませんが、猫のそれは8個に分割され、互いに軟骨で接続していて柔軟性があります。第2~第8肋骨の肋軟骨は、胸骨同士をつなぐ軟骨のある位置に接続しています(第9~第11肋骨の肋軟骨は第8肋骨の肋軟骨に合流)。




ヒトと猫の胸郭(赤は肋軟骨)。縮尺は同率ではありません。


ただ胸骨が複数の細長い骨で、かつ軟骨でつながっている構造は猫特有のものではなく、四足歩行型の哺乳類では普通に見られます。ヒトのようなタイプの胸骨は、霊長目動物には見られるものの全体としては限定的です。
ヒトの胸骨はせいぜい3分割ですが、その分割部分が関節として機能することはほとんどないらしく、年を経ると癒合して1個になることもあるそうです。しかしヒトの胸骨も、かつては猫のそれのように分割されていた痕跡が、肋軟骨が接続している部分に残っています。




ヒトの胸骨の側面図。肋軟骨が接続するくぼみに癒合線が残っている。



なんらかの進化上の必要性、必然性があって分割タイプから一体化していったものと思われますが、理由ははっきりしません。



話を戻しまして、以下の事由から猫の体の柔軟性の理由が理解されます。


・肋骨が細く相互の間隔が大きい。

・肋軟骨が細く長い。

・胸骨が分割され、軟骨で連結している。



次回も、さらに猫の柔らかさの謎に迫ります。



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猫が飼いたくても飼えない欲求不満のエア下僕。
モフモフな猫が描きたい。
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